私は以前からずっと、「電気陰性度」という用語は、ネーミングセンスがイマイチだなと思っています。
この記事では、「電気陰性度」という用語のネーミングについて考えてみたいと思います。
そもそも電気陰性度とは?
「電気陰性度」とは、「原子がどれだけ電気的に陰性(マイナス)を帯びやすいか」という指標です。
プラス電荷を有する原子が何故電気的にマイナスになるかといえば、その原子が、電子(マイナス)を自分側に引き寄せるからです。
要は、「電子(マイナス)を引き寄せる力」が電気陰性度なのです。
そのため、電子(マイナス)を自分(原子)に引き付ける力が強ければ強いほど、その原子の「電気陰性度」は高いということになります。
説明がまどろっこしくなる
私は、この「電気陰性度」という用語が大嫌いです(笑)
なぜなら、上記のように、説明が回りくどくなるからです。
最初から、「電子誘引度」とか「電子吸引度」にしておけば、「あぁ、電子を引き寄せる力の度合いなんだな」と、誰もがすんなり理解できるはずです。
しかし、「電気陰性度」なんて名前にしたばかりに、上記のようなまどろっこしい説明が必要になってくるのです。
この際、「ジャイアン度」でいい
「ジャイアニズム」という言葉があります。
これは、ドラえもんに登場するジャイアンの思想を表す言葉で、「俺のものは俺もの、お前のものも俺のもの」という、超自己中心的な考えを意味します。
これは、電気陰性度が高い原子(電子を自分に引き付ける力が強い原子)そのものです。
2つの原子が互いに1つずつ電子を出し合って共有結合/共有電子対を形成しているのに、一方の原子がこれらの電子を2つとも自分のところに引き付けるのです。
これはまさにジャイアンのすることです。
したがって、「電気陰性度」は、「ジャイアン度」と理解しておけばいいと思います。